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成長市場でよくある不具合TOP3 今注目されている「医療業界」「ECサイト」「モバイルアプリ」でよくある不具合と携わった事例を紹介

医療業界やECサイト、モバイルアプリ。成長を続ける各市場では製品のほか、Webサイト、アプリケーションなどの新しいサービスも次々に登場します。このような競争の激しい成長市場の中で品質を保ち、次々に新しいサービスをリリースし続けるために、テストリソースを社外に置くことを求める企業が増えています。
今回はさまざまなタイプの検証を数多く行ってきたVESだから分かる、実際によくある不具合を業界ごとにご紹介します。

医療業界

社会の高齢化に伴い、成長を続ける医療業界。医療機器は最先端の技術を利用したものが多いですが、電子カルテなどデータの取り扱いについてはまだ発展途上の部分があります。しかし電子化やネットワーク活用の機会が増えたことで、患者の個人情報が漏洩するリスクは急激に高まっています。ここでは機器に搭載されたソフトウェアや情報管理システムなどでよく発生する不具合をご紹介します。

よくある不具合

  • 患者情報の暗号化が不十分
    院内システムの個人情報の取り扱い、各種のログや通信、データベース内での暗号化はまだ不十分なところが多いのが現状です。

  • 使用する消耗品のメーカー誤差によるエラー
    薬品の吸入口やフィルタなどの消耗品はメーカーごとにサイズが異なり、検査する装置やソフト側で対応できるような設計にしておく必要があります。

  • ローカライズ(多言語対応)による表示の乱れ
    海外からの需要も高い最先端の医療機器。ローカライズの際に記号が文字化けしたり文字数が変わったために文言が表示されなかったりすることが多々あるので注意が必要です。

VESの解決事例

患者の個人情報を取り扱う環境のセキュリティが脆弱

医療の現場で取り扱う個人情報はどれも極めてデリケートなものばかりですが、カルテの電子化、院内のITインフラが普及していく一方で、セキュリティには甘さが目立ちます。元は院内のみのクローズドネットワークで運用することを想定されて開発されたため、暗号化されるのはデータベース上のみで通信時やログでは考慮されておらず患者のIDが簡単に盗まれてしまうような設計のものが、セキュリティを強化しないままオープンネットワーク向け機能が追加され、製品化されかけたケースもありました。

VESで検証を行った、測定結果を患者のカルテに自動的に反映させる機能を備えた検査装置でも個人情報を取り扱う上での対策が不足していました。セキュリティ面のチェックは本来のご依頼内容には含まれていませんでしたが、お預かりした仕様書、リスク一覧から必要だと判断し、VESからそれを踏まえたテスト設計をご提案し実行に至りました。その結果、発売時には強固なセキュリティ対策が施されていることが製品の特長に加わり、競合他社製品と差別化できるポイントになりました。

医療機器において実験汚染(コンタミネーション)は致命的欠陥

依頼を受けた成分解析装置は、検体の成分を分析して病気の診断や薬の開発をするための機器で、検査の各工程を全自動で行います。装置自体も非常に高価なものですが、医療機器の汚染除去には多額の費用がかかるため、基本は廃棄処分・交換することになります。設計ミスで多発する実験汚染に対して、すべて交換対応することになれば、そのコストは甚大。信用問題になることはもちろん、時には命を脅かす致命的な不具合になりかねません。量産前に見つけ、設計を見直して解決する必要があります。

VESにはこれまでの実績による医療系機器特有の「リスクを考慮したテスト設計」のノウハウがあります。医療機器のテストを重ね、各種医療製品の特徴やクセを熟知したことで、より有効なテストを設計・実行できるようになりました。さらにFDAの申請書作成にも対応可能です。

※FDA(Food and Drug Administration:アメリカ食品医薬品局)

ECサイト

PCやスマートフォンの利用者が増え、インターネットへアクセスできる環境も日々広がり続けています。それに合わせてユーザーの購買行動もインターネットへシフトしてきています。
ECサイトにはただ商品を買ってもらうだけではなく、狙った商品への誘導や追加の購買行動の促進、訪れるユーザーへの広告などさまざまな機能が備わっています。一方で管理画面からWebに表示される画面まで多くのシステムが介在するため、特に不具合の発生しやすい業界でもあります。

よくある不具合

  • ブラウザごとの表示崩れ
    各種のブラウザで正しく表示されているか確認します。最新版で表示されるが少し古いバージョンでは表示されない、またはその逆というケースも多いです。

  • ファイルインポート/エクスポート時の不具合
    インポートやエクスポートに失敗する、インポートした結果が正しくないなど。ユーザーの操作ミスによるフリーズも発生しやすいのでアドホックテストも重要になります。

  • ユーザー権限や使用機能の可否による画面制御が正しくできていない
    利用権限を持たないユーザーが該当機能を使えてしまうという不具合です。

VESの解決事例

アジャイル型開発がスピードアップのカギ

EC市場は今後もさらに大きくなっていくことが予想されます。その中で競合他社との差別化や顧客の購買促進を図るには、随時サイトの機能を改良、追加していかなくてはなりません。そのためには開発方法の見直しも必要です。短い開発期間でバージョンアップを重ねていくECサイトのシステムには、従来のウォーターフォール型開発では不具合が発覚したときの手戻り工数が大きく間に合いません。
こういった条件では短期間で設計、実装、テストを実行、それを繰り返すことで進めていくアジャイル型開発が採用されるケースが増えています。

さまざまな機能が同時に稼動しているECサイトでは、ひとつの機能の動作に、ほかの機能の設定を参照するケースは多々あります。おすすめ商品ランキング表示機能が参照する設定を、他の機能からも参照、設定出来てしまう事からエラーが発生した事例では、企画段階からVESが加わり、事前に各機能の依存関係を綿密に洗い出し、正確なマトリクスを作成、精度の高いテスト設計ができていたので容易に検出・対処ができました。開発者との密なコミュニケーションにより開発のスピードアップが実現したのです。

関連コラム:アジャイル型開発の重要性とは?

モバイルアプリ

スマートフォンが爆発的に普及し、タブレット型端末もそれに追従、その使い勝手の良さからモバイルアプリの市場は成長を続けています。個人利用だけではなく、医療現場や工場、飲食店での注文端末、学校での教育端末など活用シーンは多岐にわたります。中でも直感的に操作できるタッチパネルを活かした、小児向けの知育アプリケーションには注目が集まっています。
しかし大人では行わない予期せぬ操作による不具合や、問題文の間違い、文章が不適切など、知育アプリならではの検出されにくい不具合が数多く潜んでいます。

よくある不具合

  • 文言間違い、文章が不適切といった不具合
    動作確認だけではなく表示されている文章に問題がないかも、学習アプリなどでは特に重要になってきます。

  • 競合の不具合
    複数のアプリを起動して交互に使うと正しく機能しないなどの不具合です。

  • 表示崩れ
    特殊な記号、単位などを表示させたときに正しく表示されるかどうか、文字化けしたり表示位置がずれたりしないかを細かくチェックします。

VESの解決事例

開発サイドが見落としがちなユーザー目線のテスト

スマートフォン、タブレット端末が普及したことで、そのアプリ市場も拡大しています。学校で教材として導入されることも増えてきました。端末に触れ、操作しながらコンテンツ内容を学んでいくインタラクティブな学習アプリによって子供たちは楽しみながら学習します。そんな学習するためのアプリだけにイレギュラーな操作ですぐにフリーズしてしまう不具合や、記述内容の間違い、不適切な文章は致命的な欠陥といえます。

各教科の学習用コンテンツが毎月配信されるアプリの検証では、子供が扱うことを考慮して設計したテストを行った上で、さらにアドホックテストも念入りに行いました。
VESのアドホックテストは、テスターがただ思いつきで実行するものではなく、これまでに蓄積してきた類似製品に発生した珍しい不具合のデータも参照し、ユーザー目線でありとあらゆる可能性を追求してテストリーダーがコントロールしながら行います。操作性能だけではなく、文言のチェックも行います。
このアプリでは「時速100kmのイルカが30分泳いだら何km進むでしょう」という不適切な問題文を発見。子供なら「イルカは時速100kmで泳げないよ!」と答えたくなるかもしれません。それで×をつけられた子供は納得できないでしょう。問題文は変更されることになりました。そして、このアプリは現在子供たちに親しまれ、ダウンロード数を伸ばしています。

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