こうしたヴェスの教育には、(社)IT検証産業協会(IVIA)のテスト技術者養成のための“シラバス”という考え方が強く盛り込まれています。このシラバスは「IVEC」という認定試験のベースとなっているもので、テスト工程と役割をキャリアレベルとして切り分け、キャリアレベルに必要なスキルが定義されています。
レディーステスターが行っていた“テスト実行”と“不具合報告”は、「IVEC」におけるレベル1に相当します。企業向けに教育を提供していくためには教育内容もレベル2、3、4へと高めていく必要があり、当社は「IVEC」シラバスのキャリアレベルに合わせて教育サービスの幅を拡げてきました。
そして教育の範囲は徐々に広がり、実績も積み重ねてきましたが、ある時、我々は“まだ何かが足りない”ことに気付きました。きっかけは、とあるテストベンダからの依頼で実施した在職社員向け教育でした。
「自社の人材を新人から管理者レベルに至るまで体系的に教育したい」という要望から、継続・長期的な教育を考えた我々は、ヴェスの教育に足りない要素にぶつかったのです。それは、テストエンジニアが「新人から管理職へとキャリアアップしていく」という考え方でした。
さらにこのテストベンダからは、ソフトウェアテストの原理原則となる“ソフトウェア品質”についてきちんと教育すべき、との要望が寄せられました。また、社員教育を検討する担当者や決裁者にサービス内容を伝わりやすくした方がいい、との指摘も受けました。伝わりやすさを考えれば、すでに一般的となっている規格や体系にリンクさせることがもっとも確実な方法です。そこで、ソフトウェアの品質向上における知識体系をまとめた「SQuBOK」を教育のベースに加える案が浮上しました。