世界に大きな影響を与えたコロナ禍により、情報システムは品質強化を迫られています。外出を控える中で巣ごもり需要が増加し、インターネットの利用が増えました。企業でもテレワークが一気に普及したことにより、社外でも業務ができるようシステムをオンライン化する取り組みが増えています。そうした背景から、利用者が急増しアクセスが集中してサービスが停止するニュースを頻繁に耳にするようになりました。ある通信事業者では、IoTの位置情報を更新する際に送信されるデータが急増したためにアクセスが集中し、輻輳が発生して一般ユーザーの回線まで影響が及びました。
増えたのはシステム障害だけではありません。コロナ禍という大混乱につけこんだサイバー攻撃は企業に大きな影響を与えました。警視庁の発表によると、2020年にコロナ禍に便乗して仕掛けられた攻撃は、887件に及びます。ある大手ゲーム会社では、犯罪グループが社内ネットワークに侵入し、ランサムウェアに感染させて機器内のデータを暗号化しました。警視庁では、企業の信用にかかわるため公開に積極的ではない企業も多く、把握しているケースはごく一部だとみています。
このようにアプリケーションの機能とは異なる領域で発生する問題が多発しており、パフォーマンスやセキュリティなどの非機能テストの重要性が高まっています。