IPAの発表した「情報システムの障害状況2019 年後半データ」によると、2019年後半に報道された情報システムの障害は89件となり、これまでにない高い水準になりました。この年は消費税増税による不具合という影響があったものの、それを除いても60件、月平均10件となり、2018年の通年平均件数の約2倍と非常に多くなっています。最近では品質を著しく損なうことにより社会問題になるケースもあり、情報システムの品質に注目が集まっています。
またコロナ禍で経営環境が大きく変わる中、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の取り組みでIT製品を活用して革新を図る企業が増えました。変化の激しい環境に対応していくためには、製品開発にもスピードが求められます。製品のニーズが増え短期間での開発が求められる中、仕様を作りこむ余裕がなく、製品要求があいまいなまま開発が進んでしまうケースも見受けられます。仕様とテストの整合性が取れず製品が当初の要求を満たさないまま、市場に出てしまうことにもなりかねません。