医療の現場で取り扱う個人情報はどれも極めてデリケートなものばかりですが、カルテの電子化、院内のITインフラが普及していく一方で、セキュリティには甘さが目立ちます。元は院内のみのクローズドネットワークで運用することを想定されて開発されたため、暗号化されるのはデータベース上のみで通信時やログでは考慮されておらず患者のIDが簡単に盗まれてしまうような設計のものが、セキュリティを強化しないままオープンネットワーク向け機能が追加され、製品化されかけたケースもありました。
ヴェスで検証を行った、測定結果を患者のカルテに自動的に反映させる機能を備えた検査装置でも個人情報を取り扱う上での対策が不足していました。セキュリティ面のチェックは本来のご依頼内容には含まれていませんでしたが、お預かりした仕様書、リスク一覧から必要だと判断し、ヴェスからそれを踏まえたテスト設計をご提案し実行に至りました。その結果、発売時には強固なセキュリティ対策が施されていることが製品の特長に加わり、競合他社製品と差別化できるポイントになりました。